こんにちは。Crossoverの起業家支援プログラムに参加し、2か月間ニューヨークに滞在をしました木村薫子です。
代表的なビジネスの中心地であるニューヨーク。実は、9000以上ものスタートアップ企業が拠点を置く、シリコンバレーに次ぐ世界第2位のスタートアップ都市に位置付けられています。
>>スタートアップ・ゲノム社によるレポート(2019年5月度)
起業家にとってニューヨークが魅力的なのは、仕組みや制度といったハード面、文化といったソフト面などの土壌がきちんと整えられているからです。
そのひとつに、ピッチイベントがあります。つまり、アーリーステージのスタートアップが、起業家みずから投資家の前でピッチをする機会です。
投資家の目にとまれば、資金調達のチャンスが得られたり、会場で人脈を広げ、参加者からのフィードバックにより、事業内容をブラッシュアップすることもできます。
今回は二ューヨーク最大のアクセラレーターが主催するピッチイベントに参加してきたので、その様子をレポートします。
投資家や企業から5億ドル以上を調達する、ピッチイベントの主催団体とは
このピッチイベントを主催するアントレプレナー・ラウンドテーブル・アクセラレーター(Entrepreneurs Roundtable Accelerator)、略してERAはニューヨーク最大のアクセラレーターです。ニューヨークを拠点に、2011年から活動しています。
>>Entrepreneurs Roundtable Accelerator 公式HP
アーリーステージかつ、成長見込みがある有望なスタートアップにたいして、投資を行うベンチャーキャピタルファンドともに、4か月に渡って数々のイベントやプログラムを提供する役割を持ちます。
そして、所属する500名以上のメンターが事業のアドバイスをしています。また、ERAは208ものスタートアップに投資し、総額で5億ドル以上を調達しているという実績があります。
100回以上つづく、毎月行われる白熱のピッチイベント。鳴りやまない拍手、質問の数々
わたしが参加したイベントの名前は、「Entrepreneurs Roundtable」です。2008年から毎月つづいており、第138回目でした。
マイクロソフト社が会場で、ゲストとしてFF Venture Capitalのファウンダー、John Frankelが招待されていました。
プログラム内容は、ゲストの基調講演、ゲストへのQ&A、5社のスタートアップによるピッチと、会場からのフィードバックといった流れで進められました。
また、当日枠で特別に会場の出席者の中からピッチをしたい人が3名ほど挙手制で選ばれ、口頭のみで自分のビジネスを紹介する機会が与えられていました。
この日はヘルスケアや保険、配車サービス、不動産、航空宇宙などさまざまな分野のスタートアップが集まりました。ピッチが終わる度に質問が会場中から飛び交う、熱気に包まれた時間でした。
世界を席巻する事業は、投資家への厳しい挑戦を経て生まれる
わたしはここで、数々の起業家が厳しい目を持つ投資家たちの前に出て挑戦する機会を得て、事業が精錬されていく様子を目にし、感銘を受けました。
起業家は自分たちのビジョンに信念をもち、いかにそれを魅力的に伝えるか、必死でした。相当なプレゼン練習を積んだことがにじみ出ていました。投資家からの数々の鋭い質問にも答え、ステージを去る最後の1秒まで気を抜いてはいませんでした。
わたしはそれを見て、こうして将来世界を席巻する企業が生まれていくんだな、と深く納得しました。
起業家は世界をよりよくするアイデアを、まずは自分が認めて育てる必要があります。それが十分な確信に変わったら、次は実現するための仲間と資金を集めなければなりません。
そして、このようなピッチイベントで目の前の投資家たちに、自分たちのアイデアが価値あるビジネスに育つと認められなければ、世界中のユーザーに認められるはずがありません。
そうした厳しい挑戦を経て、生き残ったスタートアップがより大きく価値ある企業へと成長していくのです。
世界第2位のスタートアップ都市であるニューヨークで、まさに新たなビジネスが生まれ、成長してゆく瞬間をこの目で見られたことは大変貴重でした。
これからも、スタートアップのトレンドに注目していきたいと思います。
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