こんにちは。Crossoverの起業家支援プログラム参加の木村薫子です。
ニューヨークのハーレムという地区はご存知ですか?マンハッタン北部に隣接する地区のことです。
わたしはニューヨークにくる前、ハーレムが舞台の映画「シャフト(2019)」を観ました。映画自体はミレニアル世代の特徴をよく捉えており、観ていておもしろいし、アクションが爽快でおすすめなのですが、薄暗い路地と見るからに悪そうな人がたくさん出てきて、ハーレムは怖いというイメージができてしまいました。
しかし、現実はどうなのか?!ハーレムの今を、実際に住んでいる視点でレポートします。
世界最大のアフリカンアメリカンの街、ハーレム地区での変化
ハーレムはもともとオランダ人のセカンドハウスがあったエリアといわれています。
1626年にオランダ人がこの地区をオランダ語で「楽園」という意味の“Nieuw Haarlem”(ニューハーレム)と呼び出したことから始まります。
1900年代にたくさんの高級住宅が建てられたのですが、その後の不況で住宅の空きが出た際に、南部などから職を求めて移動してきたアフリカ系アメリカンが住むようになりました。これが現在のハーレムが形成された経緯です。
世界最大のアフリカ系アメリカンの街であるハーレムですが、近年アフリカ系アメリカンの居住割合が50%を下回り、年々減少しているとのことがニューヨークタイムズ紙で報道されました。
近年の家賃上昇に伴い、古くからの居住者はブロンクスエリアやアメリカ南部に流出しているようです。
住んでみた肌感として、この地域ではまだまだアジア人は珍しがられているような気がしました。でも、それはそれで希少感があってわたしは嫌いじゃないな、と感じています。
そもそもわたしがハーレムを選んだのは、その利便性からです。
家から最寄り駅まで徒歩3分、地下鉄でマンハッタンの中心(タイムズスクエア)まで乗り継ぎなしで20分、セントラル・パークから自宅まで徒歩20分の距離です。
そして、家の近くにはニューヨーク市立図書館、スーパーマーケット、レストラン、ジム、ランドリー、病院などなんでもあります。少し歩けば違う路線の地下鉄も数多く利用できるので、急に地下鉄が動かなくなっても(よくある)なんとかなります。
また、ハーレムはアフリカ系アメリカンの文化を存分に味わえる街です。
ジャクソン5、スティービー・ワンダーを生み出したアマチュアナイトで有名な「アポロシアター」、様々な教会で毎週演奏されるゴズペル、オバマ前大統領も訪れたというハーレムのソウルフードを提供する有名レストラン「シルビアズ」など、一度訪れると、そのディープな魅力にハマってしまう人も多いといいます。
まるでニューヨークの下町!明るく気さくな人たちが多いハーレムの街
わたしがはじめてハーレムを訪れたのは、アパートに入居する時でした。待ち合わせ時間より40分ほど早く到着したので、自宅近くの道路沿いにあるベンチに腰かけてチェックインの担当者を待っていました。
すると突然、「荷物見といてくれる?」と一声。見ると、女性がベンチにバッグを置いて立ち上がりました。「ちょっとあそこにゴミを捨ててくるから」と。
そこから話が弾み、「バス来ないわねえ」「こんなにスクールバスが路駐していたら路線バス停まれないんじゃない?」「大丈夫よ」と会話が弾みました。
それがわたしのハーレムに対するイメージが変わった瞬間でした。危険な地区というイメージとは裏腹に、見ず知らずの人を信頼する気軽さに驚きました。
バスに乗っているときも、座席に座るおじさんが、「座る?」と席を譲ってくれます。わたしが通路側にいて、奥の席の人が次のバス停で降りたがっていると見えたとき、よけようとすると「バスが停まってからでいいよ」と優しくひと声。心があたたかくなりました。
先日はバスで向かいの人から急にマシンガントークを浴びせられましたが、それもフレンドリーさとして受け止めました(笑)。
道を歩いていても「元気?」とみんな挨拶しているし、ご近所の結びつきが強いことをうかがわせます。ハーレムは、こんな風にとても人情味に溢れたすてきなところなんです!
もちろん、見た目が明らかに怪しそうな人になにかを頼まれたら、すぐに立ち去りましょう。バッグの中身は危険物、かもしれません。
ハーレムに住み始めて約2週間。やっとニューヨークの暮らしに慣れてきたところです。これからは宝探しのように、この街を開拓していきたいと思っています。
引きつづきニューヨークならではのおもしろいところを発見したら、どんどんレポートしていきたいと思います。どうぞご期待ください!
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