マンハッタンだけではないニューヨーク州の魅力!ミレニアル世代が注目する、最先端かつユニークな街づくりとは〜人気都市Becon(ビーコン)を訪れての考察〜

Crossoverが提供する起業家支援プログラムで2か月間、ニューヨークに滞在しました、細川哲星です。


現在は、日本全国のユニークな地域交流イベントが探せるTABICAを運営、総務省地域情報化アドバイサーとしても、活動しています。


ニューヨークのイメージといえばマンハッタンを思い浮かべる方も多いかと思うのですが、実はニューヨーク州内には、ほかにもすばらしい地域がたくさんあります。


今回は、僕が実際に訪れたBecon(ビーコン)という街の魅力や、街づくりの取り組みなどをご紹介します。


ニューヨークやシカゴなどの大都市に住む若者の地方移住が加速している

ニューヨークで出会った大学の先生に「アメリカには地方創生という概念がない」と言われて、そんなのうそだ!と信じられず、ニューヨーク周辺のいろんな田舎に行っていました。


どの地域も特色があり、ユニークでおもしろかったし、都市とは異なった魅力ある場所があって、ホッとしたのを覚えています。


アメリカには地域にはそれぞれのよさがある、という考え方がベースにあって、それを改めて創生する、という概念がなかったように思います。


全世界的には、都市部への一極集中が進んでいますが、ミレニアル世代の"都会離れ"が加速しています。


Smart Assetの最新レポートによると、アメリカではニューヨークやシカゴなどの大都市に住んでいる若者たちの地方への流出が進んでいます。

>>Where Millennials Are Moving -2020 Edition(Smart Asset公式HP)


アメリカでもっとも人口流出が多かったのが、ニューヨーク州です。かつては若者たちがこぞって憧れた街が、2018年の国勢調査局のデータによると、純移住者数がマイナス5万445人という結果でした。


この調査は、新型コロナウイルス流行の以前のデータなので、この変化は加速していくんじゃないかと予想しています。


では一体、移住する若者はどこにいくんでしょうか。求める場所はどういうところで、なにを求めているのでしょうか。


ニューヨーク州のアーティストやデザイナーが注目する街「ビーコン(Becon)」の魅力を紹介

僕は「ニューヨーク州でもっとも好きな地域はどこですか」という質問をされたときに、お答えしている地域があります。


それは、マンハッタンから、公共交通機関で、北へ約1時間半のところにある「ビーコン(Beacon)」という田舎街です。


昨今若者の移住者が増えているという噂を聞いて、実際に行ってみましたが、ほんとうに魅力的な地域でした。


漂う空気がすごくすてきで、いけています。また行きたい!というか、いつか住んでみたいです。好きすぎて贔屓しまくっていますが、この街のポイントを3つ紹介しようと思います。


ひとつめは、現代美術館「ディア・ビーコン」の存在です。


この美術館があることで、若いアーティストやデザイナーが移住してくるそうです。


元ナビスコの包装紙印刷工場だった場所をリノベーションして作った美術館で 田舎町ならではの贅沢で広いスペースに、アンディ・ウォーホール、ヨゼフ・ボイス、アグネス・マーティンなどディア芸術財団が収集している作品が展示されています。


2万2000平方メートルにわたる展示室内部の照明は、ほぼ自然採光だけでまかなわれています。約5メートルの高い天井、広い柱間、カエデの床といった特徴を生かした展示空間になっています。


どの作品もスケールが大きく、なにより一度の訪問で数多くの作品を体感できます。こうした体験は都心の美術館では難しく、ニューヨークの中心部や、都会の美術館と比べて、作品がのびのびしているように思えます。


また、展示の仕方も画期的です。過去の展示の企画には、ワンフロアを贅沢に使って、爆音で音楽をかけると行った展示もあったようです。爆音の音楽をかけている美術館は聞いたことがないです。


そして、作品の制作コストも考えられているようです。アーティストが指定した材料と模型図が美術館に送付されてきて、それを模型図通りに美術館スタッフみんなで作る、といった方法で展示されているという話も聞きました。


驚きを隠せませんでした。そんなやり方があったとは。


さらに、すでに亡くなっているアーティストの作品も展示されていました。このアーティストだったらこんな作品を作るだろう、という想像で作った作品が展示されていて、発想が超画期的で、すごく新しい、いけているなぁと思いました。


ふたつめは、驚くほどおいしかった「ハドソン・バレー・ブリュワリー(Hudson Valley Brewery)」の存在です。


今まで飲んだクラフトビールの中でダントツにおいしかったです。特に僕が気に入ったのは、ゴーゼビールという種類のクラフトビールです。


ゴーゼは乳酸菌を含んでいて、ちょっと酸っぱい味のビールなのですが、惚れてしまいました。


創業してまだ数年であるものの、熱狂的なファンの多い注目のブルワリーで、缶ビールの発売日には醸造所に大行列ができるほどの人気です。


クラフトビール好きの友人が、スマホにこのHudson Valley Breweryのステッカーを貼っていて見覚えがありました。クラフトビール好きなら一度は訪れたいBreweryなのです。ほんとうに衝撃のおいしさでした。一度飲んでいただきたいです。


このようなBreweryがあることで、街の価値をあげているように思います。周辺にはおしゃれなカフェや雑貨屋、ギャラリーなどが並んでいて地域の魅力は、このようなお店の存在によって生み出されているということを、体感しました。


ビーコンの隣町ニューバーグに注目!地域づくりに取り組む魅力的な若者たち

ビーコンに隣接しているハドソン川を超えると、ニューバーグという未開拓の地域があります。NY Timesでは、なんと「ゾンビーホームズが大量発生」と紹介されていました。


この街は、過去に大企業が撤退したことで、「ゾンビーホームズ」つまりローンが払えずにオーナーから放棄された家が大量に発生しています。同時に、犯罪率と失業率も高く、暗くなったら大通り以外は歩かない方がよい、と現地の方に教えていただきました。


ですが、僕が行ったときは、少しずつ変わってきていて、おしゃれなカフェやショップなどができはじめていました。


積極的に移住者を誘致する政策もあるようで、そのような仕組みや流れが生まれていることに、すばらしさを感じました。


そして、そんなエリアには地域を盛り上げようとがんばっているキーマンたちがいて、リノベされたおしゃれなレストランには、いけている若者たちがいました。


そんな若者たちをみていて、本当に魅了されていました。そういう若者が自由に過ごせるのが、この街の価値なんだろうと思います。


「魅力的な地域は自分たちの手でつくる」僕が携わっていきたいこと

ビーコン(Beacon)という街との出会いを通じて、僕は、まだ見ぬ魅力的な地域はたくさんあるし、もっともっとたくさんの地域を見にいきたいと思いました。


また、地域を創っているたくさんの人と出会い、地域というのはともに創っていくものだなと感じます。


ほんとうに魅力的な地域は探すのではなく創る、そういう考え方にとってもロマンを感じます。僕自身のライフミッションとして、たくさんの、あるいは特定の地域に、地域づくりを通じて関わっていけたらなと思います。


とにかく、現地点では、ビーコン(Beacon)がめちゃくちゃおすすめです。

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